禁断の恋

「司はこれからどうするつもり??」

「どうするって」

「一生独りでいいわけ?」

「そんなのわかんねぇ。運命が決めることだな」


一生独り?

んなの俺だってやだね。


「亜美ちゃんのこと取り返しにいかなくてもいいわけ?」

「取り返す?違う。」


取り返すなんてそんなかっこいいことじゃない。

俺は見捨てられたんだ。

翔とかいう男に

亜美を盗まれたんじゃない。

俺が負けたんだよ。


「取り返しになんていかない。俺は待つだけだ」

「お前いつからそんな性格になったんだよ!!」

「もとからだ」

「お前もっと強引じゃなかったか?なんでんな弱弱しくなってんだよ・・・」


弱弱しいなんて

今更しるか。


「お前さ、このままじゃ――・・・」



ガラ


遊の言葉と

扉を開ける音が

重なり

よく聞こえなかった。


『あの、2人の分も買ってきたんだけど・・・』


女が持っていた飲み物。

カルピスとコーラ。

また



ドクン



と血管が波打った。













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