禁断の恋
「もう終わりだ。」
「え?」
俺はここから離れなきゃだめになる。
離れがたくなる。
親父に頼んで留学させてもらおう。
待てない。
早く行きたい、
行きたいんだ。
離れたい。
離させてくれよ。
「何が終わり?なぁ。司・・・」
「遊、今までありがとな。俺よかったわ。」
「は?」
「今から親父に連絡して、留学の手続きしてもらうわ」
「んな急に・・・」
「急だからいいんじゃねぇか。誰にも知られずに、見送りも無しで、1人で消えたい。もう日本から天道司という存在を消す」
「それって・・・」
「もう日本には帰らない。」
回転の鈍い脳で考えた結果。
日本に来なければ
俺はきっと思い出すことも
少なくなるだろう。
他国にいれば
俺の存在を知るやつもいない。
イチからやり直せるチャンス。
もう忘れたい。
解放されたいんだよ。
亜美だって俺がいたら
辛いだけ。
お互い辛い思いをしたまま
限られた人生を生きるなんて
後悔があるすぎる。
俺は後悔したくない。
笑って死にたい。