禁断の恋

「遊だってこんなダチいやだろ?自己中で、低脳で。」

「司お前・・・」


泣きたい。

泣きてぇ。

でも泣けない。

泣いたら負けだ。

泣いたら揺らぐんだよ。

必死で必死で

決断した思いが

涙のせいで。

泣かない代わりに

周りにあたるしかないんだ。

ストレスをぶつけるしかないんだよ、俺には。

もう縁を切ったほうがいい。

一番分かってるのは俺だ。

遊だって気づいてたはず。

そろそろだって。

姫香には言わない。

あいつ亜美にすぐ話すから。

亜美にだけは知られたくない。

亜美が責任を感じて

俺を探すかもしれない。

眠れない夜が続くかもしれない。

亜美には笑っていて欲しいから。

傷つくのは

罰を受けるのは

俺だけでいい―――・・・


「いい加減にしろ!!!!」


遊が怒鳴った。


『遊君・・・』


亜美と同じ呼び方。


「お前がいなくなったら・・・俺っ・・・」


瞳に涙を浮かべている遊。

お前は俺のために泣いてくれるのか??












< 213 / 265 >

この作品をシェア

pagetop