禁断の恋

芸能事務所関係のことだったから。

しかもスカウトする人らしい。

その事務所は

日本一デカくて

有名で

とにかくすげー事務所。


「あの、俺等になんか用なんすか??」

『私はスカウトしに来ました。』

「は?」

『そちらの彼氏さんを。』

「俺・・・??」


このオッサンは俺をスカウトしに来たと言ってる。


「冗談よして。俺はそんな遊びには付き合ってる時間は無い」

『登校しているときの姿をずっと見てました。あなたなら素晴らしいほど有名になれる』

「別に俺は・・・」

『あなたにはその素質があるのです。一度でいいです。見学に来ませんか??』

「見学??」

『来週の土曜日、撮影会があります。』

「それに来いと?」

『はい』


本気か・・・??

俺はコイツの言葉を信じてもいいのか??


『裏に私の番号があります。来ると決めたときは電話を私にください、よろしくお願いします』

「おい、ちょっと!」


スカウトのオッサンは俺等の前から立ち去った。


「司?どうするの?」

「なんで・・・俺なんだよ・・・」


それが一番の疑問だった。

俺には素質がある?

なんでそんなことがハッキリ言える?

アイツに俺の何が分かる?









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