過去作品集○中編

次の日の5限。

『わぁーい! 遠足だぁ』

高校二年生にもなって遠足ではしゃいでいる馬鹿一匹。

『吉見って若いよね』

『夏乃がババ臭いだけだっつの』

だって、このクソ暑いなか高山観光なんてさぁ。

『お前たち、騒ぐ前に班は決まったのかー?』

と、担任が吉見の頭をポンッと軽く叩いて通り過ぎていった。

そう。
今は6月の遠足に向けて、班や行動を決める学級委員会の真っ最中。

吉見はソワソワして、まともに話し合いに参加する気がないらしい。

『吉見くんと一緒の班がいいよねぇ』

なんてコソコソ話す女子すらいる。

『俺達は、もう班決まってるよな?』

『は?』

吉見はこちらを向いてニヤッと不気味な笑みを浮かべた。

まさか……

『夏乃と千里と俺と、俺の友達2人で5人の班!』

『ごっ……』

強引すぎだよアンタ!

『はい、決定決定。 文句は受け付けてません』

なんて言って結局、吉見にのせられて5人の班が出来上がった。

『天野です』

『大西です』

と、吉見の友達が順に自己紹介をするけど、

『よ、よろしくお願いします』

不思議な気分だった。
何と言っても、吉見と千里以外は初会話だから。

『まぁ、そんなに固くなるなって。 和喜ってホントは面白いやつなんだよ』

ただ一人、全員が友達の吉見は気楽そう。
だから和喜がどっちか分からないから!

『大西くんって名前、和喜なんだぁ!』

『うん』

な、ナイス千里!

『つか、高山って観光どこがあるよ?』

今度は天野くんが口を開いた。

『お寺とか多いらしいけど?』

無い脳みそをフル回転させても、「お寺」しか浮かばなかった。

そんなわけで、お寺観光決定……
翌々考えれば飛騨牛食べ歩きのが良かったなぁ、なんて。
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