さよならLetter
「あたし一生忘れない!!」
水族館の中のカフェでルウコは目をキラキラさせている。
「よかったねー」
ボクは微妙な感じで返事をした。
「ソウちゃん!イルカになんてなかなか触れないんだよ!ソウちゃんもイルカ君達に感謝しないと」
ルウコがエサをあげてる間、ボクはその姿を写メで何枚か撮っていた。
イルカはルウコにエサをもらうとクルクルとご挨拶をする。それを見て、ルウコは子供みたいに「可愛いー」とはしゃいでいた。
それを微笑ましく見ていたのはいいが・・・。
『彼氏さーん、彼女さんと一緒にイルカ君にエサあげてくださーい』
その言葉にギョっとする。
「ソウちゃん!可愛いよ」
ルウコも笑顔で手招きする。
周りには人がいっぱいいて、絶対エサなんてやりたくないのに、アウェーに1人で乗り込んで試合をする気分。
仕方ないからボクを立ち上がって、イルカにエサをやることにした。