ひまわり~秘密の愛言葉~
3.接近

ライバル


「行ってきまーす!」

今日も朝から 元気に家を飛び出す。

最近は 朝から気分がウキウキしちゃって、ふわふわした感じ。

鼻歌を歌いながら登校するほどの上機嫌。


全部、先生との補習が始まってからのこと。


私、1年の頃に比べて
だいぶ先生と近づけたよね?


これからも もっともっと
先生のこと知りたい!!


相変わらず、最近の私は
貪欲になってきている。


でも、抑えようと思っても
溢れ出ちゃう想いは、
自分でも どうしようもない。



校門が見えて来た頃。

私の大好きな声が
聞こえてくる。


「おはようございまーす。」


一之瀬先生だ!!

今日は 校門に立つ係らしい。


生徒に 元気に挨拶を交わしていく。


早く 先生の元に行きたくて、
走って校門へと向かう。


「先生、おはようございます!!」

「おー立花、おはよーう。」


朝から 最高の笑顔で
迎えてくれる。


もうすっかり名前も
覚えてもらっちゃったし!



「今日も1日頑張れよ!!」

「はぁ~い。」

一言つけ足してもらっちゃった!!

朝から 先生と話せるなんて
幸せ~♪


すると、

「一之瀬先生、おはよーございまぁす♪」

後ろから、
甘ったる~い女子生徒の声が
聞こえてくる。


今、一之瀬先生って言った!?


ムッとして
振り返ると、そこには
同じクラスの 今井さんがいた。

今井さんは、
先生に必要以上にべたつきながら、

「先生ー、今日は先生が挨拶当番なんですかぁー?」

って、また甘ったる~い声で言っている。


そんなに くっつかないでよ…!!

すると 先生は
「ああ、朝早くから面倒だけど、頑張るからよー、お前らも早く登校すんだぞー。」

って、軽く微笑んで答えた。



ズキン。
ズキン。


嫌だ、やめて……


先生が笑顔だったのが
どうしようもなく
胸に突き刺さった。


その笑顔は、誰にでも
簡単にふりまくの?…



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