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とは思ってみたものの…。


『全然わからないよーっ』


数学の教科書の問題に躓いて、手からペンを離してテーブルにへばりついた。

壁に掛かってる時計に目がいった。


『まだ8時か…』


一人ってこんなに寂しかったっけ?

お笑い番組を流していても、灰希がいたら大笑いしてるだろうとか、勉強躓いてる私を見たら楓が教えてくれたのにとか。

二人の事が全然頭から離れないでいた。


『私、ほんとにブラコンかも…』


溜め息を吐いてテーブルにべばりつかせていた体を起こして、数学をやめて別の科目をやろうと部屋に戻った。


『…雨?』


窓に叩きつける雨音に、部屋の窓から外の様子を伺った。

空に一筋の光が走り、ゴロゴロと大きな音が鳴った。


『ひっ!!』


雷だと認識した私は、すぐに自分のベッドの布団に潜り込んだ。

さっきの雷のせいか、弱かった雨音が勢いを増していき窓を叩きつける。



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