幸せのQuintet
城戸くんは何も言わず動かず、ただ私のほうを見ていた。
どうしたんだろ?
でも私だけわかっていなかったんだ。
私は…大貴くんの顔が少し陰ったのには気付けなかった。
「洋介。落としたぞ」
「あっ…あぁ」
有吾くんの言葉に気付いたように城戸くんは拾い上げた。
「城戸くん。調子でも悪いの?」
私は城戸くんに近寄った。
なんだかいつもより顔が赤い気がする。
「いや…なんでもない」
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