幸せのQuintet
城戸くんはそう言って私から目線を外す。
「えっ?でも…」
様子がいつもと違う。
ふと私は城戸くんのほうに手を伸ばすと
“バッ”
勢いよく城戸くんに顔を背けられた。
えっ……
突然のことに私の手は宙に浮いたまま。
「ほんと大丈夫だから」
城戸くんは顔を背けながら私から離れた。
「そ、っか…」
私は宙に浮いたままの手をひいた。
どうしてだろ…?
城戸くんが顔を背けただけなのに……すごく悲しい――