幸せのQuintet
「胸が痛むのは“洋介”がそうしたからでしょ?」
私はコクっと頷いた。
「それは完全に恋美は洋介のこと“特別”に想っている証拠だよ」
歩ちゃんはニコッと笑った。
「あ、歩ちゃん!特別ってなに?」
「…それは自分で答えをだすんだよ」
ピシっとおでこをデコピンされた。
「ったく…洋介も洋介なんだから…」
小さい声で呟きながら歩ちゃんは立ちあがった。
その言葉がどういうことなのかわからなくて、私は頭を傾げた。