時を越える愛歌
うちってこんなに涙脆かったっけ?
こんなに泣いたこと、今までなかったのに…
声をあげて隠さずに泣いた。
あたしは…何なん?
隆平「…なぁ、奈美?」
奈美「…ん?」
隆平「祐介が奈美のこと、どう想ってるか知ってる?」
奈美「…祐介のこと、何も分かってないヤツ」
隆平「それはないと思うねん、絶対に」
奈美「何で?」
隆平「普通、どうでもいいヤツやったら自分のこと分かってほしいなんか思わんやろ?」
奈美「せやけど…」
隆平「僕からは何も言われへんけど、奈美の気持ちを伝えても祐介は困ったりせぇへん」
奈美「…」
隆平「やってもないこと、無理やなんか思ったらあかんで?」
奈美「…」
隆平「やってみな分からんこともあるやん、始めっから投げ出して、自分が作り出した空想に負けたらあかん!」
奈美「隆平くん…」
隆平「結果なんか心配することないねん…大事なんは、今の自分に勝つことや」