時を越える愛歌

顔を上げて隆平くんの顔を見てみると、強い眼差しでじっとあたしを見つめてた。


真剣な目が「大丈夫」と物語っていて、あたしに勇気をくれた。

そんな気がした。



いっつもあたしはやる前から「あかんな」って思って、挑戦せずに終わっていた。

「どうせ無理なんやから」そんなことばっか言うてた。


あかんねんな、そんな考え方が。

そんなことばっかり言うてたからこんな身体になってしもたんや。



こんな身体にしてしまったんは、自分に勝とうとしてなかった自分の責任。

「無理」という言葉から逃げていた自分。


そんな自分を変えたい、そう思った。

奈美「あたし…勝負してみる」

隆平「うん?」

奈美「今の自分と、新しい自分で」

隆平「それって…」

奈美「勇気出して祐介に言う、今の自分に勝ってみせる」

隆平「奈美…よく言った!」





隆平くんはあたしの頭をぐしゃぐしゃを撫でた。


その時は二人共満面の笑みで、お互い目を赤くしながら微笑んでいた。


これがうちの決断。

祐介に自分の気持ちを伝えること。



隆平くんが言ってくれた言葉を心の励みにして、勇気を出してみようと思う。

ありがとうね、隆平くん。


さずが…あたしのお兄ちゃん(笑)





奈美「ありがとうね!お兄ちゃん(笑)」


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