幼なじみ


「涼ーCMの話が来てるぞ」
「何のっすか?」
「毎年売れてるモデルを使ってるところだ。去年はケンタだったかな。」
去年ケンタさんが出てたCM??



「ドロップってブランドわかるか?」
ドロップは若い子から大人気の洋服ブランドで、俺も優衣もそこが大好きだ。
「はい」
「そこの新作をきるんだ。やるか?」
CM...1つ出れば他のも断りきれないと聞いた。




でも仕事が増えれば優衣も喜ぶ。
親も感心する。
蓮さんに褒められる。
酒井さんに恩返しができる。




「やります」
俺の答えは一つだった。
「じゃぁ連絡しとくよ。今日は雑誌2本だから」
「おねがいしまーす」
CMはきっとすごく勉強になるし新たな路線の発見にもなるだろう。




昨日の7本に比べると3本なんてすぐに終わった。
と言っても家に帰ったのは9時半。
昨日は全部の雑誌が2、3ページで1本が早かったけど...
どうやら...ふつうはもっと時間がかかるらしい。




「あ、涼」
家の前につくと、ちょうど優衣も帰ってきたころだった。
「仕事??」
「うん。今日は2本だったから」
「こんな遅くに一人であぶねーだろ。おれと時間近いときはメールしろよ。迎えに行くから。」
「涼も疲れてるでしょ」



優衣も今日は疲れてるみたいだ。
「俺は大丈夫だからこれからは連絡しろ。じゃぁな」
優衣が夜道を一人で歩いていると考えたほうが疲れる。
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