好きすぎた、たぶん。


「えー、ライブこれでラストです。怪我のないように、そして悔いのないように、最高のライブにしましょう。いくぞーっ!!」


「「オオォォォ!!」」



ライブ最終日。



開演間際にメンバーとスタッフで最後の円陣。



「いってらっしゃい。」



そう言って夏実に背中を叩かれた。



「おぉ。」



笑顔でそれに応えて、お客さんの前に出た。



大きな歓声に包まれて、1曲目が始まった。



この仕事をしてて、っていうかこの仕事じゃなくても、どんな職業に就いても、いいことと悪いことってあると思う。



自分の選んだ仕事だけど、悪いことっつーかよくないことってあると思う。



俺らだったら、正直言ってあんまりプライベートってないし、常に人に見られてるような生活になる。



それに、体調ちょっと悪いから今日休みますーなんて、相当ヤバくないとなかなか出来ない。



だけど、いいこともある。




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