好きすぎた、たぶん。


「ごめん、昨日。」


「いえ、大丈夫です。」


「もう一回聞くけど、何て言われたの、あいつに。」


「・・・何も言われてないですよ。」


「じゃあ、何であいつが俺の部屋にいたの?」


「………可威さん出て行った後、部屋のチャイムが鳴って出ない方がいいと思って、ずっとベッドに座ってたんです。」


「うん。」


「でもずっと鳴ってて、“可威ー?どうしたのー?”って言ってて。」


「うん。」


「だから可威さんに何かあったと思っちゃったら、逆に大変かなって思っちゃって・・・。」


「それでドア開けたんだ。」


「・・・ごめんなさい・・・」


「ううん、謝ることじゃないよ。ありがとう、気ぃ遣ってくれたんだね。」


「・・・・・・」



俺がそう言って詩織ちゃんの頭を撫でると、詩織ちゃんの目から涙がこぼれた。



・・・やっぱり。



何か言われてる・・・


< 612 / 880 >

この作品をシェア

pagetop