好きすぎた、たぶん。


「…私ね。」


「ん?」


「可威さんと遊園地に行った日から、ずっとこの指輪してるんです。」


「うん。」


「可威さんがこないだ、私にずっとしてるよって言ってくれたみたいに、私もずっとしてます。」


「うん。」


「……」


「…ありがとう。」



気付いてた。


詩織ちゃんが俺があげた安い指輪をずっとしてるのは。



文化祭当日も、詩織ちゃんはずっとはめていた。



俺も特に何も考えずつけて学校までは行ったんだけど、詩織ちゃんがはめてるの見て、外した。



さすがに同じ指輪してるわけにはいかないでしょ。



でも、不思議だった。



詩織ちゃんに会った瞬間、すぐに目が行った。



俺があげた指輪に。



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