好きすぎた、たぶん。



♪~



なかなか思いつかずに、しかも集中も出来ないながらもスタジオで曲を作り続けてると、携帯が鳴った。



いつもは音聞こえないし、バイブになってるはずなんだけど、忘れてた。



ちょうど俺も潤も音出してなかったから、運よく気付いた。



ポケットから取り出すと、考えてる真っ最中の人からの電話だった。



「悪い、電話。」


「おぉ。」



防音の分厚いドアを開けて、スタジオの外に出た。



携帯を開いても、変に指が重い。



通話ボタンを押すことを、どこかためらっていた。



・・・でも、かかってきてるし・・・



「はい。」


「あ、詩織です。」



・・・詩織ちゃんか。



詩織ちゃんからの電話だとはわかってるけど、こないだみたいなことがあったから、どこか安心したような気がした。



お兄さんからの電話が嫌だとかそういうことじゃないけど。



でもそんな風に思いながらも、詩織ちゃんからの電話に心が締め付けられた。



< 768 / 880 >

この作品をシェア

pagetop