【短】はぁーとの記憶
こんな風に期待させてどうするつもり?



ステージが目の前の座席。



ファンなら、泣いて喜ぶ席でしょ?



ステージに登場した來斗に、



会場中の女の子が高い歓声をあげる。



來斗は慣れた様子で、手を振り、



歌いながら、あたしを見て、



そして懐かしい、あの笑顔を見せてくれた。



これは気のせい?



お願い……。その気にさせるのはやめて…。



期待なんかしたくない。



期待なんかしちゃいけないのは分かってる。
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