眠る心
ずっと溢れては、流れ続け
止まる事のない涙に
俯いて顔があげられなくなる私
を紫季先生は抱き寄せる。

「しき・・・先生?」

驚き、彼の腕から離れようと
する私の体を、強く抱きしめる
  
あの先生の華奢な腕からは
想像できないぐらいの強い力で

「このままで・・・」
    
紫季の背中に腕をまわす私。
   
今、一番に傷き

苦しい思いをしているのは
    
わたしでは無く

柊雨だったのに・・・

わたしは、そんな大切な事にも
気づくことができず
    
紫季の胸に頬を寄せていた。
< 44 / 236 >

この作品をシェア

pagetop