私の王子様☆
うぅ・・・

なんで先生こんなに俺様なの?!

仕方なく問題集を開く。

うっ!

くらくらしてきた。

苦手な数学をみるとくらくらするのは私の悪い癖。

「西田・・・手が止まってる」

先生に言われハッとする。

「先生やっぱ無理」

私は音楽室から逃げるようにでる。

がしかしすぐにつかまった。

なんなのよ~!

数学が苦手な私を克服させようなんて考えないでよ~!

ぎゅっ

「へっ?」

私から間抜けた声がでた。

なに?

なんで抱きしめられてんの?

訳がわかんないよ・・・

「せんせ・・・」

「行くな」

「えっ?」

「頼むから行かないでくれ芽依・・・」

「どうしたの?」

私は心配になって聞いた。

手を離すように言ったがなかなか放してくれない。

「俺の事忘れた?」

何言ってんの先生・・・

「私と初対面じゃん・・・」

すると先生は震えた声で

「そう・・・だったな・・・」

と言った。

なんで?

なんでそんな顔するの?

私何か忘れてる?

「わるかったな呼び出して」

まだ先生の声は少し震えている。

なんで泣いてるの?

ねーなんで?

私と先生の関係が明らかになるのはずっとずっと先のお話。
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