花歌―ハナウタ

ひとりぼっちのBirthday

あたしは今日で、
18歳になる。



自分の誕生日なんて、



すっかり忘れてた。



真由美と過ごして、



龍司と過ごして、



もう一年近く。



ちっともうれしくはなかった。



あたしは何を学んだ?



このままじゃいけないのはわかってるんだ。



あたしは今日で18歳。



どんな状況でも、
明日はやってくる。



生活するためには、
お金がいる。



まともな生活して、
優しい彼氏作って、
真面目に頑張ろう。



あたしは、その日、何社か面接に行った。




反応はあまり良くなかった。



履歴書にさっと目を通しただけで、ものの5分もしないうちに、面接終了。



久しぶりに求人情報を見ると、



資格の欄に、短大卒以上と書いてあるのが目に付いた。



学歴も資格もないあたしは、就職するのもなかなか難しかった。



パチンコ屋の従業員の募集の欄に目が止まる。



学歴不問と書いてあった。


時給もいいほうだ。



早速電話をして、



面接に向かった。



行ってみて、
ちょっとびっくりした。



かなりでかい会社だ。



面接にきている人数もかなりのものだった。



自分がすごく場違いな気がした。



一人ずつ名前を呼ばれる。


こんなちゃんとした面接は何より初めてだったので、
自分の順番が近づくと、
ドキドキし始めた。



とうとう自分のなまえが呼ばれる。



あたしは軽く深呼吸をすると、

『失礼します』

と一礼をして中に入った。


面接官が四人もいる。



またまたびっくりした。



四人対一人。



さまざまな質問が浴びせられる。



こんな光景、
テレビで見たことある。



落ちたら落ちたで
別にいいや。



ありのままで行けばいい。


そう思うと、
少し緊張がほぐれた。





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