不思議の国のお伽噺。




ウサギはダメ



信じてはダメ



そう、昔教わったような気がする。






「私と一緒にいてくれる?」




「ずっと一緒さ



消えたりなんてしないよ」




「…ありがとう」




疲れきり、でもそれでも笑みを浮かべる私を見て。


白ウサギは蔑むように、でも、



切なそうに




微笑んだ。












そうシてまた。ちゃばン劇がはジまり。
うさぎの瞳に魅せられ、ツよい意志を失ったありすハ
ドれほどの感情をもってしても、饒舌なうさぎのコとばには勝てるはずはなく。




アリスハ信じきったようにマタ深い眠りに落ち、ウサギはノんきに眠るありすをコトごとくバかニしたように見つめ、ゆっくりと、その頬を手でオさえる。ドんどん顔と顔の距離を近づけ、ラくにしているありすの額にサっときすを落とす。そレでもありすは起きずに。


幸せそうな笑みも浮かべない。




ウサギは自嘲的な笑みを浮かべ、アリスを抱いて歩き出した。










そうしてまた。







アリスは、深い記憶の旅に出る。









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