ク ロ
私は外に出た。
雪が15cmほども積もっている。
声のしていた北側の窓の下に進む。
スニーカーが濡れるのもかまわず、私ははバフバフと音を立ててわざと雪を踏みつけて歩いた。
できれば、雪玉を投げつけて追い払うような真似はしたくない。
そこまで鬼じゃない。
足音を聞きつけて、さっさとどこかに逃げてくれればありがたい。


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