ク ロ
風呂からあがると、
居間は静かだった。

ヤツは寝ていた。
ちゃんとねぐらで、
クッションの丸みに体を預け、たれぱんだみたいな格好で、四肢を投げ出していた。


近づいても起きない。
足の先で、腹のあたりをつつくと


ウニャ…


一声あげて、一瞬だけ目を開く。
そして、

尻尾を2回だけ、
ぱたんぱたんとゆっくり動かした。


また後でね


そんな風に言ってるような気がした。

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