ク ロ
8時になった。

ドアに鍵をかけ、車に向かおうとすると、クロが駆け寄ってきた。
車のドアを開けると、なんとなく乗りたそうな素振りをみせるが、もちろん連れて行くわけにはいかない。
抱き上げて少し遠ざけると、すぐにあきらめたようだ。
根性のないヤツだ。

クロに見送られ、私は職場に急いだ。

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