ハフピスライン
こんなことを恐らくずっとルルシーは続けられてきた。

私は愚かだ。何を知ってここを地獄と言っていたのか。ただの想像でしかなかった。

薬物による精神崩壊。そしてそこからの調教。誰も反抗も出来ないだろう。ルルシーの場合、昨日それでも抵抗したらこんなにもなるまで薬物を投与されたのだと思う。

そうでなければ体が持たない。いやこれで死することすらどうでもいいというのかサイスマス。


怒りの炎が立ち込める。


今の私ではどうにもならない。魔力があれば気持ちを落ち着かせる程度ぐらいなら出来る。
腹が立つ。本当に私は愚かだ。目の前にいる助けたい人も救えない。そんなものがハーフの救世主になどなれる訳がない。
こんな薬物があるから、こんな薬物など消えてしまえばいい。

そうだ。全て“燃え尽きて”しまえばいい……。
燃えてしまえ……。

揺らぐ炎が私には見えた。その炎は白くもあり黒くもある。だから私は何も分からず白い炎を選らんだ。その炎が希望の光と信じて……。
私がそう強く願い、ないはずの魔力を放出しようとしたからか。私の内心では誰かから聞いたような言葉が輪廻する。

――その瞬間、ルルシーの体が白い炎に覆われた。
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