ハフピスライン
「頼むジーク、オレはどんなこともする。雑用でもいいからなんとかアフランシールに入れてくれ」

公衆の面前で構わずオレは頭を下げる。これで足りないなら土下座でもする。なんでもする。

「なんでもするねぇ。アフランシールに入ったらハーフとも戦うぞ。魔王側のハーフは敵として扱えよ。それが出来るなら入れてやる」

どうしても頷けない。これは“無理”だ。オレはハーフは人間、そうトリアイナに言い続けてきたんだ。これだけは嘘つけない。

「無理だな。ハーフは人間なんだ。ちょっと道を間違っただけで救えるんだ。絶対に」
「あのトロワポテゥ―もか」
「トリアイナは絶対に救う!!」
「ハーフと戦えないと無意味だぜ。オレ達の世界だとな。アフランシールに入るのはあきらめろ」
「ハーフと戦うくらいならオレはアフランシールには入らない」

言っちまったな。アフランシールの他に魔物達の情報を入手するのは大変だな……いや魔物じゃない。こうなると魔王との戦いになる。そうなるとやっぱり仲間が必要だ。

それだとやっぱりアフランシールは心強いんだけどな。自分で断ったら終わりだよな。
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