ハフピスライン
「それは貴様らの勝手な判断だ」
「シュドウ。こいつ食ってないだろ?」
「あぁそうだな」
「何を言っている。たかだか人間にそんなことが分かるはずがない」
「そうとも言えないぜ。さっきだっていくらでも追撃すれば殺せたのを全員それをしないで見逃した。オレ達はそれを調べたんだ」

さっき……つまりあの劣勢はわざとってことか? そうなると最初からこの金色の狼がオレ達を食うつもりがないってことをみんなは分かってたってことか。
いつの間にか殺気は消えていて、冷静な判断が出来るようになっていた。

「あれがわざと? あえて殺さなかっただけ。そうゆうならば力を示して見せろ」
「……いいぜ」

金色の狼の挑発に乗ったのは背後のシュドウ。
しかしオレは何故か地に足がついていない。

「あれ?」
「ちょいと離れてろ。多分シュドウちょい本気だすから」

オレの首根っこを掴んでいるのはライキ。どうやらオレは持ち上げられたまま飛んでるらしい。見ればみんな一斉に避難していた。

「一人でいいのか」
「十分だ」

そう言った瞬間、シュドウは消えていた。

そしてオレとライキは着地していてライキの視線の先を見れば、そこにはシュドウがいた。
ジャンプしたことも見えなかったがシュドウは上空にいた。
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