千夜を越えて





【やっと来たのね。こちらへいらっしゃい。】








まただ。



またこの声。





頭の中で響く声の通りに進んで行く。








幸い、あたしは皆の一番後ろを歩いていたので、班員はまだ気付かない。







そのまま皆とは逆の方向へ進むと、一本の桜の木があった。










【こっちへ。】








幹に手を伸ばし、触れる。















その瞬間、あたしは意識を手放した。







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