【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
「嫌な予感がするんです。でも、俺は人間だから、魔界の人間を見極めることは出来ないでしょう?」



「…そうね。それで、楓ちゃんは何がしたいの?」



振り返ったら訝しげに眉を寄せたヒノエさんがいた。



俺は習った通り、空中に魔界の記号を書いてヒノエさんの眉間に人差し指をとん、とぶつける。



すると、指先が光り、空中に書いた記号がヒノエさんの頭に吸い込まれた。



「これで、俺の力が一時的にヒノエさんの感知能力を高めるんだそうです。」



指を離すと、ヒノエさんはなんだか不満そうな顔。
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