【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
クロエの瞳の色が変わる。



「人間のくせに厄介なくらい切れる頭だ…。どうせ俺の負けだ。もう、あいつもそろそろ直接動くだろう。」



次に発するであろう名前が、どうか、俺の予想と重なりませんように…。



「俺達人間界にいる罪人に、お前達の動きを伝えていたのは…キズキ・ルジェ・ヴェル…ヒノエ・ロア・ヴェル、君の、弟、さ。」



勘の良いヒノエさんも、きっと途中から分かっていたのかもしれない。



顔は限りなく無表情だけど、彼女から流れる感情は、予想が当たってしまったことへの落胆だった。
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