兎心の宝箱2【短編集】
「このまま逃げきるのは難しいか? ならば」
魔法使いはそう一人呟くと、巨大な魔法陣を複数構築した。
メビウス1からメビウス5までが現場にたどり着いた時、既に二人はやられていた。そして一人佇む魔法使い。その顔には笑みが張り付いている。彼はロッドを持っていない方の手を上に掲げると静かに降ろす。その動作を不審に感じた全員が上空を見上げると、ドラゴンが大口を開けて彼等を見下ろしていた。