幼なじみは年の差7歳【完全版】


「…だけど、ずっと黙ってるのもなんだか、ね…」


…これから先、私と麻実ちゃんはずっと親友で居ると思う。
“親友”としてお義父さんに紹介するのは簡単…だけど、ずっと偽っていかなきゃいけない。

それを考えると心が苦しくなる。
麻実ちゃんもきっとそう思っていて、きっと凄く悩んでる。


「俺が話したから大丈夫」

「わっ…!」


冬馬兄ちゃんが電柱に寄りかかりタバコの煙を吐き出した。
いつの間に居たんだろう…。


「もう話したよ」

「…それで…?」

「直接話した方がいいよ」


不安そうにする麻実ちゃん。
冬馬兄ちゃんは「大丈夫だよ」と言葉を続け、家へ入るよう促した。


お義父さんは、この家を私と冬馬兄ちゃんの為に譲ってくれた。
元々、家に居る時間がほとんど無い人だから…何かが大きく変わったりはしなかった。
今日、パーティーをするからとお義父さんを誘ったのは冬馬兄ちゃん。

ちょうど日本に居たし、仕事にも余裕があったから。と昨日から家に居る。


リビングのソファーに座るお義父さんが私たちを見た。
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