幼なじみは年の差7歳【完全版】
「それにしても」
と、麻実ちゃんが呆れたようにビニール袋を見た。
「タダで貰えるのは嬉しいけど、冬馬さんってば他にあげる人居ないのかねぇ」
そんな風に言う麻実ちゃんの言葉で思い出す。
「…私、冬馬兄ちゃんからだって言ったっけ?」
「え?」
――少しの沈黙。
私、冬馬兄ちゃんから貰った物だなんて言ってなかったよね…?
どうして麻実ちゃん、知ってるんだろう?
「…美和が試供品をこんなに持ってるわけないでしょ?
だから、冬馬さんから貰ったのかなって。
他にくれそうな人も居ないしさ」
「あ、なるほど」
そう言われたらそうかも。
麻実ちゃんって頭の回転が速い。
「ま、ありがたく貰っとく」
微笑むように笑った麻実ちゃんに私も笑顔を返した。