依存~愛しいキミの手~
私たちば壁に寄りかかって座った。


ゆきはまだ鼻をぐすぐすと鳴らして泣いていた。


「とりあえずタバコ吸って落ち着きな」


ゆきの持つタバコを手にとり、口にくわえさせる。


そして、圭介と知り合った経緯と私がキャバクラを始めたことを話した。


「…口にしたら自覚しちゃいそうで怖かったから、今まで口にしなかったんだけど…」


私がタバコを吸いゆっくり吐き出した。


「…私圭介のこと好きになり始めてるみたい!」


ゆきを見ながら笑って言った。


「今までずっと恋愛のこと相談してきたゆきだから、素直に言えた。言ったらすっきりしちゃった(笑)」


ゆきは私を見つめた。


「何で私なんかに…?誰かに話しちゃうかもしんないよ?」


真っ直ぐ私を見て言うゆき。


「言わないよ。分かってる。今まで1度も私の恋愛話人に話したことないじゃん」


私も真っ直ぐゆきを見て言った。


ゆきは下を向いて


「ありがとう、信用してくれて。あんなひどいこと言っちゃったのに…」


と、また涙を目に溜めながら言った。


そんなゆきを見て、嬉しかった。
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