依存~愛しいキミの手~
それから、りょうちゃんの大きな高そうな車で私の家に行き、知美と着替えてから新宿に行った。


1週間振りに来た新宿は、やっぱり人の流れが早く、ビルが密集していて都会に感じる。


「ふぁぁあ。あー…体が重い…」


車の中で寝ていた優が、大きく空に手を伸ばした。その腕にはまる、シルバーのブレスレットが太陽の光に当たりキラっと光る。


「りょうちゃんたちどこまで車停めに行ってんの?」


美香も眠そうにあくびをしながら、その場にしゃがみこんだ。


「店の近くの駐車場だよ。多分10分くらいで来るんじゃねーかな?」


圭介の言葉通り、タバコを2本吸い終わったくらいにりょうちゃんと知美がやって来た。


予約した時間がまだまだなので、みんなでマックへ行く。


「あ、あすかちゃん今日は本当にありがとうね。ゆきちゃんがいきなり来た時はすごいびっくりしちゃったよ(笑)」


知美が優しく笑って言った。


「何かあったの?」


美香がシェイクをかき混ぜながら聞いた。


私が学校であった出来事を話すと、圭介が私の頭をポンポンと優しく叩いて


「いいことしたじゃん」


と誉めてくれた。圭介の表情がすごく柔らかくて、目が離せなくなる。


「お前なんだかんだ面倒見いいんだな。美香と一緒じゃん(笑)」


そう言って美香に視線を向けた。


視線をそらしてもらって正直安心した。


多分圭介がそらすまで私からは離せなかったから…。
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