依存~愛しいキミの手~
お好み焼きともんじゃをつまみながら、ビールとウーロンハイを何杯か飲んだ。


その間に、水商売の話しや圭介の変わりようなどの話しで盛り上がり、あっと言う間に時間は過ぎていった。


「あ!やば。早く行かないとヘアメイク混むんだよ!」


美香が時計を見ながら言う。


男3人を残し、私たちはお店に向かった。


また奢ってもらっちゃった…。


帰り際に圭介にお金を渡そうとしたら、デコピンをされた。


こういうもんなのかな?


地元で遊ぶ時はいつも割り勘だったから、毎回毎回奢られるのが申し訳なく感じる。


だけど、そんな圭介がすごく大人に感じてかっこよくも見えていた。


お店の入ったビルに着いてエレベーターを待つ。


「美香ちゃんもうちの店来る?」


「え?」


「あすかちゃんに使ってないドレスとかあげる約束してるんだけど、美香ちゃんももらってくれるなら助かる!」


知美が美香を見てにっこり笑った。


「まじでいいの!?ちょー嬉しい!!」


そう言って6階のB店の控え室まで3人で行った。


「B店は控え室別の階にあるんだね!」


私がキョロキョロ言いながら言う。


うちのお店の更衣室の倍はありそうな広い部屋。


「うちの店の方が広くてキャストの数多いからね。最初A店作ってる時は、控え室ここ一緒に使う予定だったらしいよ?…あ、おはよう」


知美が準備していたヘアメイクさんに挨拶した。


「あ、おはよう。ゆりあちゃん今日は早出なんだね。…体験の方?」


知美はゆりあって源氏なんだぁ。似合ってる名前だわ。


ヘアメイクさんが私たちを見て聞いてきた。


「違う違う(笑)4階のキャストさん。私の私物あげるの」
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