依存～愛しいキミの手～

失敗は成功のもと

営業が始まった。


2回目だし、あれから1週間あいたからすごくドキドキしている。


でも、さっきゆりあを見て、私も頑張ったらあんな風に輝けるかなとワクワクもしていた。


少しすると、フリーの団体が入ってきた。


私も美香も席に着くことになった。


よしっ、頑張ろう!!


小さくガッツポーズをし、軽く気合いを入れて席につく。


私の隣に座ったのは、不動産関係の仕事をしている中野さん。ダンディーなおじさまって感じ。


他の人のグラスが空いたので、水割りを作ろうと氷を取ったら中野さんのズボンに落としてしまった。


｢あ!ごめんなさい!」


慌てて氷を取ろうとしたら、手がグラスに当たり自分の水割りが中野さんのズボンにひっかかってしまった。


｢きゃあ!ごめんなさい、ごめんなさい!どうしよう、冷たいですよね!?」


そう言いながら私はハンカチで拭きとる。


気づいたボーイさんが謝りに来てくれた。


どうしよう、どうしよう…


私は半泣きで謝り続け、必死にズボンを拭いていた。


｢…大丈夫だよ。」


中野さんが声をかけてくれたけど、半泣きの顔を見られるのが恥ずかしくて顔を上げられなかった。


｢あすか!」


中野さんの隣に座っていた美香が私の頭ん軽く叩く。


思わず顔を上げると、中野さんは優しく笑っていた。
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