依存～愛しいキミの手～

え…?


｢こんな顔真っ赤にして謝られたら、許すしかないよ(笑)｣


その言葉と笑顔に心の底から安心した。


安心感で自然と笑顔がこぼれる。


｢名刺ちょうだい?気に入った｣


｢え…。あ、私ちゃんとした名刺まだ持ってなくて、これでいいですか?｣


気に入られることなんか何もしてないのに…。てかむしろ嫌われるようなことしたのに何で!?


そう思いながら、お店の名前と住所だけが印字された空名刺に、私の名前と連絡先を書いて渡した。


後に、中野さんは毎日通ってくれる太客の1人になる。
この時、中野さんは仕事で上手くいかないことがありイライラしてたらしい。気分転換に来た店で、氷を飛ばされ、水をひっかけられ…。かなりむかついて帰ろうかとも思ったが、私の必死な態度がムカつきからかわいさに変わったと教えてくれた。
…それと、私のつけていた香水が中野さんの好きな匂いだったのも理由の1つだったと…。