依存~愛しいキミの手~
ふいをつかれた行動に、顔が赤くなった。


下を向いて、まばたきを何度もしている私の頭をなでながら圭介が立ち上がった。


タバコを口にくわえ、腰をポキポキと鳴らしながらどこかへ行った…と思ったらすぐに、前髪を濡らして帰ってきた。


濡れた前髪を手で後ろにかきあげる仕草が、すごく色っぽくて吸い込まれるように見入っていた。


「お前外まで歩ける?」


圭介の声にハッと意識を取り戻す。


「大丈夫だよ」


そう言い立ち上がったけど、足元はフラフラしていた。


圭介が笑いながら腰に手を回してきた。


2人とも足元がおぼつかなく、真っ直ぐに歩けなくて笑いながら店を出た。


「とりあえず俺ん家行って2人から連絡くんの待ってよーぜ。酔っ払いすぎてどっか店入るとか無理」


そう言って圭介は通りかかったタクシーを止める。


私もこの時の記憶は飛び飛びでしか覚えていないくらい酔っ払っていた。
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