依存~愛しいキミの手~
部屋の中には、時計の秒針だけが大きな音を立てて動いていた。


カチッ


タバコに火をつける音がやけに響く。


タバコを吸い込むが味が分からない…。


ギシッとベッドが音をたて少し揺れた。


振り返ると圭介が立ち上がっていた。


部屋にある小さな冷蔵庫まで行き扉に手をかけ、一瞬止まり私の方を見た。


目が合って胸が高鳴る…。


「お前、二日酔い平気?」


軽く口角をあげながら聞いてきた圭介は、いつもの圭介だった。


「…あ、少し頭痛いや…」


そういうと、圭介は冷蔵庫の中から何かを取り出しテーブルに置いた。


「俺風呂入ってくるから飲んどけよ」


そう言って圭介は、クローゼットの中から服を取り出し、部屋を出て行った。
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