依存~愛しいキミの手~

自覚

灰皿にタバコを置き、圭介に手を振った。


パタンとドアが閉まった瞬間、伸びていた背筋が丸まり、膝を抱えていた両手で顔を覆った。


今の…。


今のって…。


一瞬だけど…触れた…よね!?


一気に心臓の動きが激しくなり、体中に血液が流れだしたような感覚。


ヤバい…。


膝を折り、両手で顔を覆ったまま、横に倒れた。


ヤバい、ヤバい!!


布団に顔をうずめ、体を縮ませながら悶えた。


ヤバい…圭介のこと…


ちょー好きだ!!


顔を覆っていた手をゆっくりと外し、口に当てる。


キス…しちゃった…。


心が満たされて、顔が緩む。


「へへっ…へへへへっ」


嬉しさが体中から溢れ出て、勝手に出てくる変な笑いが止まらない。


毛布に顔をうずめると、圭介の匂いがする。


落ち着く匂い…。


そのまま目を閉じそうになったけど、圭介が戻ってきた時こんな姿見られたくないと思い、起き上がった。

吸いかけのタバコを口にくわえ、圭介の部屋を初めて見渡した。
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