依存~愛しいキミの手~
「も、もしもし」


声が裏返った。


「下見てみ(笑)」


笑いながら圭介が言うので、窓の外を見ると圭介と優が手を振っていた。


「お疲れ~」


マックを出て美香が2人に手を振る。


「「お疲れ~」」


2人も私たちに言う。


顔が上げられない…。


くしゃっと私の頭を圭介がなでた。


無邪気な顔で笑っている。


…うー普通に普通にって思うけど、普通ってどんなん!?


「俺七夕イベントのことで、このまま圭介ん家行くんだけど、どうする?」


七夕イベント…?


そういやうちのお店にもイベントの紙貼ってあったな。強制同伴日だっけ…


「お前らも来れば?女側の意見ある方がいいし、お前の荷物もうちだし」


圭介がタバコを取り出しジッポで火をつけた。


タバコを持つ指が軽く唇につくのを見て、思わず思い出してしまう。


やばっ…


そんな私に美香が気づき、私の肩を組み赤くなった顔を隠すかのようにしてくれた。


「面白そうだし、一緒に行こうよ!」


そう言ってタクシーを止めた。


タクシーに乗り、会話をしていると昨日あんなに長いと思った時間が、すごく短く感じる。


圭介の家に上がると、今日も人の気配はなかった。


部屋につき、圭介が二日酔い用のドリンクを冷蔵庫から出してくれた。


それを飲みながら、圭介はクローゼットの中からスウェットを出し美香に渡す。


「ありがとうー。じゃ、私お風呂行ってくるね」


慣れたように美香が部屋を出て行った。


よく来てるのかな…?


2人のやり取りがそんなことをすごく感じさせた。
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