依存~愛しいキミの手~
お互いの冷たい手を暖めるように指を絡ませ歩く。


クイーンズからコスモワールドにつながる自動ドアを出ると、綺麗なイルミネーションが広がっていた。


「ここのね、階段下りながらイルミネーション見ると冬が来たって気がするんだ」


階段にイルミネーションが灯り、目の前のコスモワールドにも光が輝く。


すごく幻想的な世界に見えるんだ。


「へぇー」


圭介が私の顔から視線をコスモワールドに移し、ゆっくりと階段を下り始めた。


「階段下りながらイルミネーション見るって不思議な感じ。いい発見したわ」


優しく笑う圭介にドキっとした。


まだまだこの不意打ちの優しい笑顔には慣れないや…。


コスモワールドのイルミネーションを見てからバイクの所に戻り、秋にできたばかりのワールドポーターズ、赤レンガ倉庫、山下公園を通って、港の見える丘公園に着いた。


「うわっすげー夜景!」


目の前に広がる夜景に圭介が目を丸くする。


「すごいね!私ここ来たの2回目なんだ。前来た時はドラマの撮影で昼だったから、夜景見るの初めて…」


吸い込まれるように見入る私の腰に、圭介が手を回した。


私もドキドキしながら圭介の腰に手を回した。
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