依存~愛しいキミの手~
それから何度も何度もキスをした。


今まで伝えられなかった気持ちを伝えるように…。


ずっと我慢していた気持ち。


ずっと伝えたかった気持ち。


圭介、すごい好きなんだよ…。


すごくすごく好きなの。


私ね、あの日渋谷で出会った時から、きっと好きだったんだ…。


圭介の背中に回した手に力を込めた。


海からは船の汽笛が聞こえてくる。


冷たい冬の海風なんか感じないくらい、私の体は火照っていた。


全身が圭介を好きだと言っている。


全身で、圭介の告白を喜んでいる。


そんな感覚だった。
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