依存~愛しいキミの手~
カウンター奥にある事務所に行き、パソコンの画面を見る。


何百人かいるキャストの中で、ゆりあの名前が3位にいた。


「「すごいじゃん!!」」


美香と声を揃えて驚いた。

「良かった~。出勤時間増やしたのに、上半期より下がってたらどうしようかと思ってたんだ」


知美は、実力を試してみたいからと、夏休みから週5で21~3時の出勤に増やしていた。


美香が50位ちょっと、私が84位だった。


「美香もあすかも、バースデーあったわけじゃないのによく100位以内に入ったよ。頑張った頑張った。やっぱり町田さんの見る目はすごいなぁ」


とイッシーが誉めてくれた。


私はすごく嬉しかったけど、悔しい気持ちも大きかった。


もっと2人に近づきたい。


そんな今まで隠していた闘争心が、心を埋めつくしていく。


圭介の部屋で寝ていると、圭介がベロンベロンになって帰ってきた。


足音に目を覚ます。


「あーお疲れ様。ヤバい状態だね(笑)」


私がベッドに寝転がりながら笑うと、私の上に覆い被さりキスしてきた。


そして、そのまま圭介は寝息を立て始めた。


私も圭介の下から抜け出して、圭介に抱きつき寝た。


夕方起きると、テーブルの上に箱が置いてあるのが見える。


?


テーブルに行くとおばちゃんからのメモが置いてあった。


『あすかちゃんへ

ケーキ作ったから食べてね。あ、感想はいつも通りよろしく。

主人とデートに行ってきます

圭介母より』


あははっ、おばちゃんらしい。


ケーキを見たいけど、それは圭介が起きてからにしよう。
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