依存~愛しいキミの手~
しばらく指輪を見つめていると、圭介が部屋に入って来た。


「あ…これ、ありがとう!何か感動しちゃって言葉が出ない」


そう指で目元を拭い言った私の頭を、圭介が優しく笑いながらくしゃくしゃっとなでた。


圭介が指輪の箱をとり、ソファーに座った。


ポンポンと隣を手で叩いたので、私は隣に近寄った。


圭介は私の左手をとり、薬指に指輪をはめてくれた…。


「ぴったり…」


私が驚くと


「ははっ、美香に調べといてもらったんだ。優も同じ指輪美香に渡してるはずだから、店で右手にはめれば、美香とお揃いで買ったってことにできるだろ?」


そう優しい目で言いながら、私の髪をゆっくりとなでてくれた。


「あ!私も!!」


お客さんにもらったプレゼントと一緒に置いておいた紙袋を手に取った。


「これに比べたら全然安物になっちゃうんだけど…」


指輪を触り、圭介にグッチの紙袋を差し出した。


「中見ていい?」


私は隣に座りながら頷いた。


プレゼントの中身はネクタイとタイピンだった。


「圭介ベルトグッチ何本か持ってるじゃん?だから合わせて…」


そう言いかけた時、圭介が私の首に手を回しキスをした。


長い時間キスをし、ソファーに倒される。


え…


私が驚いていると圭介が鼻をくっつけてきた。
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