依存~愛しいキミの手~
笑いすぎて痛いわき腹を押さえながらタバコに火をつける。


圭介も顔を赤くし、ぐしゃぐしゃになったままの髪で起き上がりタバコに火をつけた。


「私、美香に相談してたんだよ」


圭介が私の顔を見てくる。


「私も最初から好きだったの。だから美香に圭介のこと相談してて、キスされたことも言ってた。…優に言わないでくれてたんだね」


美香も優も、お互いに相談されてることを言わないでいてくれたんだ。


「言うなよってことは、絶対言わないヤツらだからな。2人は本当に信用できるよ。つーか、あいつらが相談されてるって言い合ってたら俺らもっと早くくっついたんじゃん(笑)」


私も圭介の冗談に笑い返した。


あの2人は本当にすごい。


私が美香の立場なら、きっと協力したくて優に話すと思う。


でも、お互いに知らないフリをして接していたなんて、本当に口が固いって言うか信用できるんだなって…。


「ケーキ食うか」


おばちゃんのケーキは、サンタのいちごの乗ったかわいらしいショートケーキだった。


ピザの宅配を頼み、シャンパンとケーキを食べた後圭介はお店に出勤した。


体の進展は何もなかったけれど、圭介に何歩も近づいた気がしたクリスマスだった。
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