依存~愛しいキミの手~
「ねぇ、何であの時キスしたの?」


何ヶ月も気にしていたことを、やっと口にした。


「え…!?いや…特に理由は…」


圭介が顔を背け目を泳がせる。


「何で?」


圭介の頬を両手で挟み、私の顔に向けた。


「…したかったから…」


まだ目が泳いでいる圭介の頬をつまむ。


「何で?」


はぁーっとため息をつき、目をつむる圭介。


「それで俺の気持ち伝わると思ったんだよ」





……


………は!?


目と口を開き圭介の顔を見つめていると、圭介が細く目を開きチラッと私を見た。


「…俺、告ったことなかったからどう言えばいいのか分からなくて…優に相談したら、気持ちのまま伝えればいいって言われて…」


だから…キス…?


私が吹き出して笑うと、圭介は両手で頭をくしゃくしゃかいた。


「だから、したいからって言っただろ!?」


顔を真っ赤にする圭介がかわいい。


「ホストのくせに告り方も分からないとか~(笑)」


私がお腹を抱え笑う。


「その場になると頭真っ白になって言葉が出てこなかったんだよ!!」


圭介がソファーの肘掛けに顔をうずめるように、うつ伏せになった。


そんな圭介の背中を叩いて爆笑した。
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